風邪をひいたときの漢方薬の使い分け。本当に葛根湯でいいの?
こんばんは。
ここ最近寒くなってきましたね。
こんな時は風邪をひきやすいので体調管理には十分気をつけてくださいね。
うちにも風邪が入ってきたのか、嫁が少し熱っぽかったので桂枝湯を飲んで8時には寝てしまいました。
さて、
風邪に効く漢方薬っていったら誰もが知っている葛根湯です。
よく風邪のひき始めに効くとされています。
「風邪のひき始め」とは、まだ高熱になる前ということ。
葛根湯は熱を上げる効果(体を温める効果)があるので、高熱になってからだと効果がみられないと考えられています。
風邪の時、一般的に医者から処方してもらう薬は「抗生物質」や「解熱剤」、「咳止め」が殆どだと思います。
これらは頭痛や発熱などの「症状」を一時的に抑えることには有効ですが、結果的にその「症状」が長引いてしまう恐れがあります。
なので、私はその治療法は正しくないと考えています。
一方、葛根湯は一時的に体温を上げるので、体内の免疫を活発化させ闘病反応を高めます。また発汗を促すことで結果的に解熱するというメカニズムになります。
ある医療機関の調査では西洋薬より漢方薬の方が風邪の回復が早いことが証明されているのです。
やはり風邪は自己免疫力で治すことが一番だと思うのです。
ただし、葛根湯が誰にでも効くかというと、実は合わない人も結構います。
処方構成は桂枝湯に葛根と麻黄を加えたものになりますが、
特に麻黄はエフェドリンを含むので副作用に動悸、血圧上昇、頻脈などの副作用が出ることがあります。
これは虚証の人(体力がなく痩せている人)や高齢者、持病がある人によく見られます。
このような副作用が出る人は効能が穏やかな桂枝湯がよく合います。
また虚証の人(麻黄が大丈夫な人)で更に冷えがひどく、悪寒、寒気、のどの痛みが強い場合は麻黄附子細辛湯が使われます。
これはとても温まります。
附子が入ってますから。
附子とは猛毒トリカブトの塊根です。
えー、猛毒なのに大丈夫なのー(;・∀・)
でもちゃんと減毒してあるので大丈夫。
減毒しているものの直接薬を飲むと舌や唇がしびれることがあるので、よくカプセル剤として製剤化されています。
他にもあって、実証(体力がある人)で熱が上がってしまって、頭痛、関節痛が見られる場合は麻黄湯を用います。
症状から察するに、これはインフルエンザっぽい症状です。
というか、インフルエンザにとても麻黄湯は良く効きます。
自分はタミフルやリレンザを飲みたくないので必ず麻黄湯で治します。
麻黄湯の作用機序についてはなかなか面白いので、また別の記事で書いてみたいと思います。
まとめ、(ざっくりとですが)
・実証、もしくは中間証の人の風邪の初期症状は葛根湯
・実証で高熱、頭痛、関節痛を伴う風邪の初期症状は麻黄湯
・虚証の風邪の初期症状は桂枝湯
・虚証で寒気、悪寒を伴う風邪の初期症状は麻黄附子細辛湯
といった感じです。
次回は風邪が長引いた場合の漢方薬について書いていきたいと思います。