頭痛に有効な薬。NSAIDsのお話し。
頭が痛い。
2週間ほど前に交通事故にあってしまい、むち打ち症からくる頭痛に悩まされています。
私は薬物を用いることが好きではないので、通常はできるだけ症状を我慢して自己治癒力に任せた治療方法を選択しています。
時間はかかりますけどね。
但し今回のむち打ち症についてはさすがに我慢できないので、ロキソニン錠とロキソニンのシップを用いております。
確かにロキソニンは効く。
即効性があり副作用が少なめで幅広い痛みに対応するので、とても使いやすい薬だと思いました。
一般的に用いられている痛み止めは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs エヌセイズ:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)と呼ばれるものが殆どです。
ロキソニンもNSAIDsです。
他にも有名どころでは…
ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)
などがあります。
たくさん種類がありますがその中でもロキソニンの優れているところはプロドラッグであるというところです。
プロドラッグとは胃腸での吸収前は活性が無く、吸収後に肝臓で代謝(分解)されて初めて活性が現れる薬のこと。
通常の薬では肝臓での初回通過効果(経口投与の場合必ず初めに肝臓での代謝を受けます)を受けるため効果が何%か減弱します。
逆にプロドラッグでは肝臓の初回通過効果によって薬効を発揮するのです。
要は無駄が無く高い薬効が期待できる薬ってことです。
他にもいいことがあり、NSAIDsは一般的に胃腸障害がよく見られますが、ロキソニンのようなプロドラッグでは吸収前は活性が無いため胃腸障害が少ない傾向があります。
明らかにアセチルサリチル酸(バファリン)よりはおなかに優しいです。
両方飲んだことがある人はこの差がよく分かると思います。
別に座薬や注射(点滴も)などの肝臓の初回通過効果を受けない剤型のものもあります。
そのため効果が直ぐに現れるので緊急時によく用います。
なんでお尻から突っ込むか。それは初回通過効果を避けるためなのです。
家じゃ注射なんてできないしね。ボルタレン座薬はよく使いますよねー。
NSAIDsの作用機序について
NSAIDsはシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬に分類されます。
COXは体内で炎症や発熱を誘発する物質(プロスタグランジン)を作り出す酵素で、さらにプロスタグランジンは痛みの原因物質であるブラジキニン作用を増強させるという感じで、あまり良いものではない物質です。
NSAIDsはこのCOXを阻害することで炎症、発熱、痛みを和らげる効果があるのです。
頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛といろいろ種類があります。
片頭痛とは
ズキズキと脈打つような強い痛みで吐き気などを伴います。
頭の片側だけ痛かったり、前兆として目がチカチカしたり(火花が散る感じなのかな?)、痛み始めると長時間続くのが特徴です。
緊張性頭痛とは
頭部近辺の筋肉が収縮することで起こります。
後頭部が締め付けられるような鈍い痛み、肩や首のコリを伴います。
吐き気は伴わないことが多く、片頭痛より長い時間続くケースが多い。
群発頭痛は私は知らなかったのでよくわかりません。
NSAIDsはどんな頭痛にも効果があると考えられていましたが、最近では片頭痛にはあまり効果が期待できないという考え方もあるみたいです。
片頭痛にはセロトニンが関与していていると考えられ、それに適応した薬があります。
トリプタン系薬です。
代表的な薬
スマトリプタン(イミグラン)
トリプタン系は市販薬(OTC)では、まだたぶん出回っていないと思います。
そのため医師の診断が必要となってきます。
それに対し緊張性頭痛はNSAIDsがしっかりと効きますので問題なく使えるかと思います。
頭痛もちの方はまず自分の頭痛が片頭痛か緊張性頭痛かを見極めて、それに合う薬を選択する必要があります。
ちなみに私のむち打ち症による頭痛は頸椎捻挫による首、肩の張りによるものなので、ロキソニンはちゃんと効いています。
できれば薬は飲みたくないので症状が引いてきたら漢方薬に切り替えていこうと考えています。
次回は頭痛に効く漢方薬の話をしたい思います。