どくだみ夫人のあっちへおゆき

3児のパパ薬剤師。人生明るく楽しく!何でもありのブログです。

簡単にできる漢方薬の効果的な飲み方!

医師から処方された薬は、調剤薬局でその飲み方について薬剤師から説明があると思います。

しかしドラッグストアなどで購入した薬(OTC医薬品)で薬剤師の説明がつくのは第1類医薬品と要指導医薬品だけで、その他(第2類医薬品、第3類医薬品)は説明がつきません。

漢方薬は後者の第2類医薬品、第3類医薬品にあたるため詳しい使い方、注意点について見逃されがちです。

ましてや薬剤師でなくても売ることができてしまうので、漢方薬は軽視されているのではないかと思ってしまいます。

そのため薬の重複投与による相互作用や副作用、また効果的な飲み方についてはあまり知られていないと感じることが多くあります。

今回は漢方薬の飲み方について話をしたいと思います。

 

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スペインカンゾウ

 

まずは飲むタイミングについてです。

薬って一般的に食後に飲むものが多くて、漢方薬についてもついつい食後に飲んでしまいがちです。

しかし漢方薬は空腹時(食間)に飲むことが基本です。

食前とも書いてあることがありますが、個人的には空腹時をお勧めします。

何故かというと

漢方薬は構成生薬とその量が決まっており「巧妙に計算された一つのパッケージ」として効くからです。

例えば桂枝湯の生薬構成と比率は

「桂皮4、芍薬4、生姜0.5、大棗4、甘草2」

となり、虚証の風邪の初期などに用います。

これに芍薬を1.5倍量の6にすることで桂枝加芍薬となり、過敏性腸症候群、しぶり腹などの適応に大変身してしまうのです。たったこれだけで。

要は飲んだ薬がご飯と一緒になってしまえば、計算された処方の意味がなくなってしまうということなのです。

なので空腹時こそが漢方薬の効能を発揮するための最低条件となります。

 

肝心な飲み方についてですが、

暖かいお湯に溶かしてから飲むことが基本です!

成分が溶け込んだインスタントコーヒーだと思って下さい。

その意味は煎じ薬の状態に戻して飲んだ方が本来の効果を発揮することができるから。

あと香りや味を感じることで気持ち的に効いた気がする(プラシーボ的な)効果もあるんじゃないかと考えております。

 

漢方薬の名前について

漢方薬の名前の末尾には「湯」「散」「丸」とありますが、その意味は

  • 湯:煎じ薬のこと。要はお茶のように生薬をお湯で抽出して飲むもの。
    煎じ薬を出す薬局は少なく、一般的にはエキス剤といった顆粒剤として製剤化されたものが殆どです。
  • 散:生薬をすりつぶして粉末にし、分量に従い混合したもの。
  • 丸:散剤をはちみつなどを絡めて丸く形成したもの。

となっています。

とはいえ現代ではほとんどが飲みやすいエキス剤となっているため、顆粒剤、錠剤の形で製剤化されていると思います。

基本的には顆粒剤はお湯に溶かす。錠剤になっていれば無理に溶かさずに通常水と一緒に飲めばいいかと思います。できれば錠剤も溶かした方がいいと思うんですが…

これから漢方薬を飲んでみるときがあったら、「空腹時」「お湯に溶かす」を試してみてはいかがでしょうか。今までよりも効くようになるかもしれませんよ。