抑うつ状態の改善に効く漢方薬を紹介。柴胡加竜骨牡蠣湯などなど
まず初めに、
抑うつ状態とは、外部から精神的ストレスを受けることで気分が落ち込み、思考、行動、感情が乏しくなってしまうことで、様々な身体的異常が現れることを言います。
抑うつ状態は症状名であり、病名ではありません。
それに対し、一般的に言われるうつ病とは、この抑うつ状態の程度が悪化し、常習化してきた場合のことを言います。
うつ病は病気です。
医師からうつ病と診断されてしまったら、ほとんどのケースは西洋医学による治療が優先されるでしょう。
おそらく始めは比較的副作用が弱いSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を処方されることと思います。
副作用が弱いとはいえ、攻撃的な性格になる恐れがあるなど気になる副作用がいくつかあります。
出来るだけこのような西洋薬を使用したくはないのですが、うつ病と診断されてしまったらこれに頼るしかないような気がします。
こうなってしまったら漢方の出番は副作用を抑える使われ方しかないのだと思います。
うつ病にならないためには、その前の段階の抑うつ状態の時にしっかりと治していくことが重要です。
一般的には、
気楽な思考に気持ちを切り替える。
ストレス解消法を見つけ実施する。
バランスの取れた食事を心がける。
日光を浴びる。
とか、いろいろ対処法があるみたいです。
さらに、これらに加えて漢方薬の力にも頼ってみましょう。
漢方ではこのような症状のことを気うつ(気滞)と言います。
その名の通り、体内の「気」の巡りが悪くなり停滞している状態のことです。
この停滞した「気」の巡りを改善することで、抑うつ状態を改善していきます。
抑うつ状態は思考、行動、感情が乏しくなることに加え、身体的な症状として、
頭が重い、朝起きれない、腹部膨満感(ガスがたまっている感じ)、のどのつかえ感
を伴うことが多いようです。
これに加えて
体力がなく、胃腸虚弱で食欲不振、不眠を伴う場合は香蘇散(こうそさん)
体力が中程度で喉の閉塞感や異物感が強い場合は半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
体力があり、神経過敏、イライラ、みぞおちあたりの不快感を伴う場合は
柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
いずれも効果は穏やかなので即効性はあまり期待できません。
なのですぐに諦めずに続けていくことで効果が期待できるでしょう。
基本は体質改善です。
この3つの漢方薬。
構成生薬を見てみると、すべてに生姜(ショウガ)が入っていて、2つには蘇葉(シソの葉)という生薬が配合されているのに気が付きました。
おそらく、ショウガとシソの葉の組み合わせは「気」の循環させる力があるんだと考えられます。
日常の食生活にもショウガとシソを積極的に取り入れるだけでも抑うつ状態の改善が期待できるのかもしれません。